デンマークで41歳の女性が首相就任、日本について思うこと

デンマーク首相

デンマークの首都コペンハーゲンで、新内閣を紹介するフレデリクセン新首相(ロイター)

社会民主党のメッテ・フレデリクセン党首(41)がデンマーク首相に就任しました。女性としては2人目、史上最も若い首相です。発足した新内閣では全閣僚20人のうち7人が女性となったそうです。

デンマークでは41歳の女性が首相就任しても驚きはないですが、これって今の日本ではおそらくありえないと思います。デンマークをはじめ北欧諸国は男女格差が少ないというイメージを持っておられる方も多いのではないでしょうか。統計を見てみても、例えばOECDが発表している男女の収入格差はデンマークは24.1%、日本は57.7%と、労働市場における男女格差が小さいことが数字から読み取れます。また世界経済フォーラム(World Economic Forum)が発表している世界ジェンダーギャップレポートの2017年版では、デンマークは144か国中14位、日本の114位と比較してもジェンダーギャップの小さい国であることが分かります。

デンマークがこのように男女平等を達成できたことの背景には、どんなことが影響しているのでしょうか?デンマークでは1849年に最初の憲法が発布され、それが「最初の民主主義」とみなされています。実際にはその憲法は、30歳以上の男性(国民のうち14%)の選挙権を認めるという、男性だけが対象の民主主義でした。憲法発布の翌年である1850年にマチルダという20歳前後の若い女性が、男女の不平等に関する本を書き、彼女がどれだけそれが不公平であると感じたかを書き綴りました。1900年代には男女平等に関係するたくさんの運動が起こり、女性たちは自身の選挙権のために闘い、その結果1915年に、デンマークでついに女性参政権が認められました。

この「民主主義」とは決して与えられたものではなく、「自分たちで勝ち取った」という歴史があるのです。デンマークを含む北欧諸国の投票率の高さはそれを物語っていると思います。北欧諸国では90%前後の非常に高い投票率ですが、日本では50%前半程度でしょうか。これはデンマークの人々が単に選挙や政治に人々が興味を持っているから、という理由だけではなく、政治が日常生活の延長線上にあることや、自分たちの生活や生きる環境と深く関係していると知っているからでしょう。日本では政治や選挙というと、日常と切り離されたもの、自分と無関係なものと感じる人が多いけれど、日常的にもっとこうなれば生活しやすい、生きやすいという思いは、どんな人でも持ったことはあるはず。それを実現するのが選挙なんです。

デンマークでは、各政党は選挙前は当然のこと、それ以外の機会でも自分達の政策について、メディアやSNS、集会など、あらゆるところで対話の機会を持ちます。各政党は人々の関心分野ごとに多くの意見を交わし、市民との対話は具体的におこなわれます。これは日本の状況とは大きく異なりますね。特に日本のメディアに関してはきちんとその役割を果たして欲しいものです。大手メディアの現状には苛立ちと同時に危機感を覚えます。

日本人ほど「テレビの言うこと」を信じ、影響される国民もないわけですから、もうすぐ行われる2019参議院選挙におけるテレビの影響って大きいですよね。私はテレビを全く見ないので、どんな報道をしているか詳しくわかりませんが、相当偏った内容になっていることは間違いなさそうです。安保法制、消費税増税、TPP、原発再稼働、医療福祉、年金、貧困や失業、お友だちへの便宜を図る私物化政治など争点は多岐にわたるわけですが、メディアはこれらを公正に扱っているようには思えません。例えば、れいわ新選組とか、山本太郎とかSNSではかなり盛り上げってますが、テレビで全く報道されなかったり、討論に呼ばなかったりするのはメディアの判断として絶対におかしい。これだけ現象になっているんだから取り上げるべきでしょう。いったい大手メディアは何が怖いのでしょうか?山本太郎さんの街頭演説なんてテレビで放送すればかなり視聴率取れると思う。視聴率至上主義ならワイドショーでとりあげても良さそうなものですが。でも取り上げない。れいわ新選組の候補者にしてもかなり攻めた人選でおもしろい。YouTubeで「れいわ新選組」で検索すればいろんなスピーチが見られます。候補者それぞれが当事者であり、めちゃくちゃ熱い、言葉が心に響いてきます。これってエンターテインメントですよね?しかしテレビでしか情報を得ない人にはこれらの情報は届かない。これらの誠実な態度をとる候補者をなぜ無視するんでしょうか。もうテレビなんて見てる場合ではないですよ!

話題は次の選挙とメディア批判になりましたが、要は民主主義とはなんぞや、自分たちで未来を拓こう、より良い日本にしていこうよ!という話でした。そのためには選挙は大事です。とりあえず7/21は選挙に行きましょう!本当に国民のための政治をしてくれる人たちを国会に送りましょう!長くなるのでこの辺で。