薪ストーブの暖房能力はどれくらい?

鋼板製薪ストーブ

薪ストーブの暖房能力について「何畳用ですか?」とか「どれくらいの大きさの部屋を暖められますか?」という質問をいただくことがよくあります。例えば TermaTech TT22 シリーズの場合、メーカー公称値で定格出力は7.5kw(6450Kcal)、暖房面積40-160㎡といった数字です。暖房面積の値はかなりの幅がありますが、これは設置する住宅の断熱性能に依存するためです。高断熱住宅であれば160㎡暖められるが、断熱性能の低い住宅では40㎡程度しか暖められないという具合です。40㎡は約20畳、160㎡といえば約87畳に相当し、かなりの床面積ですね。

様々な薪ストーブメーカーがありますが、中には80畳用とか30坪用と謳って販売されているものもあります。しかし上記のような理由から見ると、一概に何畳用とは言えないんですよね。しかも何畳とか何坪っていうのは面積であって天井高、例えば吹き抜けなのかどうかということは考慮されていないわけですから。定格出力はある程度炉内の大きさに比例した数字になっているようですが、メーカーごとに基準が違いそうなのでちゃんと比較することは難しそうです。もちろん目安にはなり得ますが。

鋼板製薪ストーブ

というわけで薪ストーブの暖房能力について聞かれると困ってしまうことがあるのですが、TermaTechの薪ストーブユーザーの方が、『頭の中はいつも薪ちゃん』というブログの「今流行りの鋼板製薪ストーブについて疑問に思っていた事」という記事の中で使用感をレビューされていたので紹介させていただきます。ブログ主はドブレ760も使用されているので、TermaTechストーブとの比較が参考になります。結果はより出力の大きなドブレ760に引けを取らない暖房能力があるとの感想でした。

私自身そんなにたくさんのストーブを試したことがあるわけではないので、こういった使用レビューは大変ありがたいです。ドブレ760というメジャーな鋳物薪ストーブとの比較なので参考になるかと思います。モダンタイプの鋼板製ストーブは他にも、立ち上がりの速さ、大きなガラス面からの放射熱による暖かさなど様々な利点があります。もちろん鋳物の薪ストーブは鋳物の良さがあるわで、どちらの方が優れているとは言えるものではありません。しかし北欧では鋼板製ストーブが9割以上のシェアがあり、日本で人気のあるクラシックタイプの薪ストーブはほとんど売られていないということは、日本ではあまり知られていないようです。北欧と日本では住宅事情が違うので一概には言えませんが、日本の住宅も高気密高断熱化が進んでおり、今後薪ストーブにおいてもヨーロッパでスタンダードなモダンタイプの薪ストーブが普及していくことが予想されます。こういった情報も少しづつ紹介していきたいと思います。