滋賀県高島市で煙突設置工事の依頼をいただきました。ストーブはすでに施主様自身でご用意されていて、今回は煙突と取り付け工事のみのご依頼です。
元々は部屋の中央あたりに囲炉裏があったらしく、その真上の屋根部分は別材が当てられ煙抜きに使っていたような形跡がありました。当初はその煙抜きの下、天窓の横あたりに煙突を抜きたいと希望されていましたが、室内のストーブ配置を考えているうちに、元々の煙抜きを利用して煙突を通すことになりました。
しかし、いざ蓋を開けてみると垂木間の中心あたりに穴が来ているという想定とはかなりずれた位置に穴が。この穴を利用するつもりでしたが、元の天井穴が化粧板でギリギリ隠れる位置に新たに開口しました。
照明や手摺、構造用合板のあらわし仕上げなどインダストリアルな雰囲気のインテリアだったので、通常は見えない位置に使用するルーフサポートや屋外で使う煙突支持金物を、敢えて見えるかたちで使用するプランとしました。施主様にも手伝ってもらって一緒に作業させていただきました。
そして煙突と薪ストーブを接続、とても良い雰囲気に仕上がりました。
施主様が選ばれたのはイエルカの薪ストーブ。分厚い鉄板で作られた存在感のあるストーブです。いかにも鉄という感じのストーブに、TermaTech の鋼鉄2mmシングル煙突、φ250mm断熱二重煙突は迫力満点です。この煙突の質感、一体感はステレンス製シングル煙突にはない魅力ですね。
ストーブは当店で扱うものとは違い、輻射式で本体がかなり熱くなるので、離隔距離など施主様と話しあいながら最終的な設置場所を決めていきました。普段扱っている薪ストーブと全然違うタイプのストーブなので、色々と勉強になりました。施主様とあーだこーだ言いながら進める作業は楽しかったです。
対流式のモダンタイプと比べ部屋が温まるのには少し時間がかかる印象でしたが、そのうちに部屋全体が柔らかく暖かい空気に満たされました。しかし流石に大きな輻射式の薪ストーブ、やはりストーブ本体がかなり高温になります。このままだと近くに置いた家具などが危険な温度になりそうなので、後に施主様がストーブ背面の遮熱処理や土間の拡張などを進められる予定です。
この家には煙突がよく似合います。
施工中は色々とお世話になりありがとうございました!今後ともよろしくお願い致します。